飲食店で就労可能な「在留資格」を確認。「留学」「家族滞在」でも条件次第で働ける?

法律・制度 Relesed:May 25, 2020
飲食店で就労可能な「在留資格」を確認。「留学」「家族滞在」でも条件次第で働ける?

画像素材:PIXTA

年々日本で働く外国人労働者の数は増えていますが、外国人が日本の飲食店で働くためには、飲食店の就労が許可された「在留資格」が必要です。しかし、在留資格によっては、就労時間に制限があったり、そもそも飲食店での就労が基本的に許可されていないものもあったります。 いつのまにか不法就労をしていた、ということにならないためにも正しい在留資格の知識を身につけましょう。今回は、外国人求職者が知っておきたい在留資格の基礎知識をご紹介していきます。

在留資格とは?

そもそも在留資格は、外国人が日本に滞在する際に必要な資格のことで、「留学」や「技能」、「日本人の配偶者等」など、日本でおこなう活動や身分ごとに分類されています。種類により就労の許可や活動の範囲が異なるため、なかには飲食店で働くことのできない在留資格もあります。
飲食店での就労許可が下りていないにも関わらず、働いた場合は「不法就労」となり、罰則の対象となります。では、飲食店で働ける在留資格にはどのようなものがあるのでしょうか?


日本の飲食店で働ける在留資格とは?

日本で就労が認められている在留資格には様々な種類がありますが、就労許可が下りているからといって必ずしも飲食店で働けるわけではありません。また、就労範囲や時間が限られている場合もあります。

■身分に伴う在留資格

「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」といった、身分に基づく在留資格を持つ外国人は制限なく働くことができます。そのため、日本の飲食店で働く際も接客や調理など、様々な分野で活躍できるでしょう。

■技能

外国料理の調理師など熟練した技能を持つ外国人に与えられる在留資格のため、ホールでの接客を主とする業務や、日本料理の調理師などは対象外となります。タイ料理やフランス料理といった外国を発祥とする料理の調理師として働くことができます。

■特定技能1号

2019年4月に新設した在留資格で、外食業を含む14の特定産業分野に関する知識や経験を持つ外国人に与えられます。外食業の特定技能1号を持つ外国人は、飲食物調理、接客、店舗管理といった、飲食店の業務に携わることができます。

■特定活動

「特定活動」は、各々が許可されている活動内容により就労可能かどうかが異なります。具体的な活動内容については、パスポートに添付された指示書で確認できます。 例えば、2019年5月から認められるようになった「本邦大学卒業者」は、飲食店で働ける特定活動の一つです。飲食店では、通訳をかねた接客をおこなえますが、皿洗いや清掃を主とするような業務の就労は認められていません。

■資格外活動許可

「留学」や「家族滞在」の在留資格を持つ外国人は、基本的に日本で働くことは認められていませんが、「資格外活動許可」を申請・取得することで就労が可能になります。ただし、本来の活動範囲を妨げない、週28時間までという条件付きです。留学生の場合は、長期休暇期間中に限り、1日8時間・週40時間まで働くことができます。

画像素材:PIXTA

在留資格を得るために必要な条件

在留資格を申請するのに必要な条件は、種類ごとに異なります。ここでは、「技能」「特定技能1号」、「特定活動(本邦大学卒業者)」、「資格外活動許可」を申請するのに必要な条件などを簡単にご紹介していきます。

■技能

「技能」は、熟練した技術を持つ外国人に与えられる在留資格です。それゆえ、取得するのは簡単ではなく、外国料理の調理師の場合、実務経験が10年以上(タイ料理は5年以上)必要です。実務経験のなかには、教育機関で学んだ期間も含まれます。

■特定技能1号

飲食店に従事できる特定技能1号を取得するためには、技能水準を測る「外食業技能測定試験」および、日本語能力水準を測る「日本語能力判定テスト」または「日本語能力試験(N4以上)」に合格する必要があります。また、外食業分野の第2号技能実習を修了した人も対象です。

■特定活動(本邦大学卒業者)

日本の大学や大学院を卒業したという学歴と、高い日本語能力が求められる在留資格です。高い日本語能力とは具体的に、「日本語能力試験(N1)」の合格または、「BJTビジネス日本語能力テスト」が480点以上の人を指します。また、大学や大学院での専攻が「日本語」の人も該当します。

■資格外活動許可

「留学」など、就労許可が下りていない在留資格を持つ人が飲食店で働きたい場合は、事前に「資格外活動許可」の申請が必要です。資格外活動許可申請中は、就労が認められていないので注意しましょう。

飲食店で働きたいと思っている外国人は、まずは自身の在留資格や許可されている就労範囲を確認しましょう。繰り返しになりますが、在留資格で就労が許可されていない場合や、活動範囲外の就労をおこなう場合は「不法就労」となります。 現在就労が許可されていない外国人求職者人は、「資格外活動許可」の申請や、就労が許可されている在留資格へ変更してから飲食店で働きましょう。