外国人が日本の飲食店で働くなら知っておきたい! 「労働基準法」の基礎知識

法律・制度 Relesed:Nov 18, 2019
外国人が日本の飲食店で働くなら知っておきたい! 「労働基準法」の基礎知識

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日本の飲食店で外国人が働く場合、日本人と同様にさまざまな労働基準関係法令が適用されます。なかでも、労働条件を定めた「労働基準法」は、外国人労働者が職場でのトラブルに巻き込まれないためにも知っておきたい法律の一つです。今回は、外国人求職者が押さえておきたい「労働基準法」の基礎知識について解説をしていきます。

労働基準法とは?

そもそも労働基準法は、労働時間や休憩、休日など、最低限守るべき労働条件を定めた日本の法律です。日本人はもちろん、外国人も例外なく日本国内で働くすべての労働者に適用されます。
労働基準法第3条には均等待遇に対する「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。」という一文があり、国籍等を理由とした労働条件の差別が禁じられています。
労働基準法に違反している、労働条件で雇用主とトラブルになっている場合は、お近くの「外国人労働者相談コーナー」などにご相談ください。

就労トラブルを防ぐ! 労働基準法のポイント

日本の労働基準法では、全13章にわたり労働条件に関するさまざまな項目が定められています。ここではそのなかから、外国人が日本の飲食店で働く上で押さえておきたいポイントをいくつかピックアップしました。求職中の人は、求人票の就労条件と見比べるなどして確認し、未然にトラブルを防ぎましょう。

■労働時間

日本=労働時間が長いというイメージがある方もいるかもしれませんが、1日8時間、週40時間を超えた労働は、労働基準法で禁止されています。ただし、条件を満たせば、時間外労働(残業)をすることは可能です。
また前提として、「留学」など一部の在留資格で日本に滞在している場合は、労働時間に制限があるので注意しましょう。

■休憩

労働基準法で定められている休憩時間は以下の通りです。労働時間に応じて、休憩時間が変わります。
・6時間超え8時間以内の場合……45分以上
・8時間超えの場合……1時間以上
一般的な企業の場合、12時~13時のお昼時に休憩を挟むことが多いですが、飲食店の場合ランチタイムが書き入れ時というお店がほとんど。そのため、ランチタイム後の客足が落ち着いてきた時間帯に休憩を取るケースが多いです。休憩の取り方はお店によって異なるため、面接などで聞いておくとよいでしょう。

■休日、年次有給休暇

労働基準法では、1週間の内少なくとも1日、または4週間の内4日以上の休日を取らなければなりません。
また6か月以上継続して働き、全労働日の8割以上出勤した場合は、10日間の有給休暇を与えるよう決められています。年次有給休暇の日数は最大20日までとし、6か月以降は1年ごとに1日プラス、3年6か月以降は2日プラスして与えられるよう定められています。

■賃金

時間外労働や深夜労働(22:00~翌5:00)、法定休日(労働基準法で定められている最低限の休日のこと)労働をする場合は、割増の賃金を労働者に支払うよう定められています。賃金の割増率は以下の通りです。
・時間外労働、深夜労働……25%アップ
・法定休日労働……35%アップ

■解雇

労働基準法では、労働者を解雇する場合30日前に予告をする必要があると定められています。予告なく労働者を解雇した場合は、解雇予告手当(平均賃金の30日分)を支払う必要があります。また、業務上のケガや病気で療養している期間や、産前産後休業期間などの解雇は禁止されています。

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その他の労働基準関係法令をチェック

日本では、労働基準法以外にも「最低賃金法」や「労働安全衛生法」、「労働者災害補償保険法」など外国人労働者に適用される労働基準関係法令があります。どれも労働者の保護を目的とした法律ですから、トラブル回避のためにもチェックしておきましょう。

■最低賃金法

最低限支払われるべき賃金を保障する法律です。日本では、東京都は1,013円、大阪府は964円といったように都道府県ごとに最低賃金が定められています(地域別最低賃金)。
最低賃金は日本人だけでなく、外国人にも適用されるため、応募先の給料が最低賃金を下回っていないか確認しましょう。各都道府県の最低賃金は、厚生労働省のホームページなどで確認できます。

■労働安全衛生法

労働基準法から独立分離した法律で、労働者の安全や健康の確保、および快適な職場環境の構築を目的としています。

■労働者災害補償保険法

労働者災害補償保険法は、就労中や通勤時に起こったケガや病気などの保証について定めた法律です。留学中のアルバイトの方など、日本で働くすべての外国人が対象となります。

労働基準法を知ることは、より良い職場を見つける手助けとなってくれます。労働基準法に違反しているような職場は、トラブルに巻き込まれる確率も高くなると言えます。日本の飲食店で働きたい、働いている外国人の方は労働基準法をはじめとする労働関係法令についてしっかりとチェックしておきましょう。